CHI-BOU NOIR 鎌倉在住・黒猫 チー坊&ノワール |
スズアコーヒー 小田原在住・焙煎士 鈴木雄介さん (PHOTO:鈴木 心) |
パリで出会ったお気に入りの珈琲「カルテ・ノワール」を日本でも見つけて愛飲していました。 でも『カルテ・ノワール』は、10年くらい前に廃版になってしまったようです。 以来、パリのカフェオレを求めていろいろな珈琲豆屋さんを歩きましたが、 日本では、なかなか思うような味に出会うことができませんでした。 私自身、珈琲に関して、とても邪道な淹れ方をしているらしいこともありますが、 珈琲豆屋さんにその味を上手く伝えることが出来ずに挫折することが多かったのです。 それから10年カフェオレ難民でした。 ところがある日、小田原に所用があって車を走らせていた時、 『スズアコーヒー』という昭和な感じの珈琲豆屋さんを見つけました。 建物はもちろんですが、ロゴマークにもピンとくるものを感じ、 素直に「ここで珈琲を買って帰ろう」と思ったのです。 そこで出会ったのが焙煎士の鈴木雄介さんです。 「すごく濃い味のカフェオレ用を探しています」というと、 「珈琲を入れる時はどんな器具を使われていますか?」 「豆の分量は?挽き方は?蒸らす時間は?」 「淹れた後、残った珈琲の粉の状態は?ドロドロした感じですか?」など、 いろいろ細かく質問をしてくださいました。 といっても、私の答えはしどろもどろ・・・・。 私には確固たる『珈琲道』のようなものは全くなく、 ただただあの『カルテ・ノワール』の味が忘れられないだけなのですから。 しかし、焙煎士の雄介さんはその場で、 「では、これからその味を作ってみましょう」と言ってくださり、 珈琲豆を2種選択し、配合と分量と挽き方をいろいろ試してくれました。 「基本のイメージはできたので、もう少し僕も研究してみます」と約束してくれた雄介さんは 後日、何種類かのブレンドを私の元へ送ってくださいました。 そして誕生したのが、鎌倉黒珈琲です。 コンセプトは「深いコクと苦み」。 焙煎度合いはフレンチとフルシティーをブレンドし細挽きにしました。 できあがりを200ccで設定。 1杯に使用する粉の量は25gと通常の約1.5倍から2倍。 豆がお湯を吸収するので、湯量は少し多めにします。 ゆっくり3回に分けて淹れて、豆のエキスだけを抽出。 珈琲100ccを抽出したら、適温に温めた牛乳100ccと合わせます。 牛乳は沸騰させてしまうと甘みがなくなるそう。 ブラウンシュガーを入れて完成形ですが、ストレートでも美味しくいただけます。 薄くしたい時は、豆を少なくするより、できあがりを希釈するほうが美味しいです。 珈琲というと、なんだか難しく考えがちですが、 雄介さんの「自分が飲みたい味が一番ですよ」という言葉に目からうろこでした。 珈琲は蘊蓄のいる難しい飲み物と思う気持ちが強く、 珈琲焙煎士の方の前では自分の好みのカフェオレのことなど語れずにきてしまいました。 そんな中、雄介さんとの出会いで、珈琲という『飲み物』が、 そして『生きること』それ自体がすごく楽になりました(笑)。 鎌倉黒珈琲が出来上がって、いろいろな方に試飲していただいたところ、 「この濃くて苦みのあるカフェオレが飲みたかった」という人が続出でした。 あの日、ふと訪れた小田原の地で、偶然にも焙煎士の雄介さんにお会いできたのも、 チー坊とノワールのお導きでしょうか。 |
鎌倉黒珈琲が買える店 | ||
<神奈川県・鎌倉>
チー坊ノワール
神奈川県鎌倉市佐助1-14-1 TEL:0467-24-5872
佐助 Room114
神奈川県鎌倉市佐助1-14-1 TEL:0467-24-5872
Food brand shop ippin
神奈川県鎌倉市御成町13-25 TEL:0467-38-7015
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